陸上自衛隊庚種特務師団(こうしゅとくむしだん)所属の音江と八汐。
かねてより犬猿の仲であった二人は隊長命令で夕隙社に協力することになり、《主人公》と共に学園に潜入捜査を行っていた。
いつもの自衛隊の制服ではなく、年相応の学生服が、彼らが同い年であることを改めて認識させられる。
八汐と二人きりの状況…。年頃の女子とツーショットでうれしい―と言いたいところだが、いつも通り音江が単独行動で消えたようだ。
身体から微かに電磁波を発する事ができる能力を持ち、人間ソナーと呼ばれる彼にはまだ《霊》が見えておらず、
機を伺っているのかもしれない。
とはいえ、勝手な単独行動をする音江を探し出し、協力して事件の早期解決を図りたい八汐。
どうやら事件捜査の前に仲間捜索の仕事が入ったようだ…。
白峰は考えていた。《霊》という存在を斃(たお)す事は本当に正しいことなのかを。
左戸井や伏頼はそんな白峰に、あくまでもビジネスだと伝える。
しかし、白峰にとっては決して簡単に割り切れるようなものではなかった。
そんな白峰と共に除霊に向かった幽撃隊のメンバーたち。
敵を追い詰めたかに見えたが、白峰が《霊》を攻撃できずに屋上に追い詰められ、手痛いダメージを受けて取り逃がしてしまう。
最近、物思いに耽ったり、考え事をしていることも多い白峰に対し、編集長の伏頼は謹慎を命じるのだった。
そんな白峰を心配し、入院先の病院へ向かうさゆりと《主人公》。
そこで白峰はついに悩みを明かすことになる。
ゆきみヶ原女子高校の赤いセーラー服に身を包み、柔らかい髪をリボンで結った少女は急いでいた。彼女の名は曳目てい。
織部神社の巫女で、弓を扱う事に長け、弓道部の部長を務めているだけでなく、邪気を祓う“鳴弦”の使い手でもある。
彼女が向かう先は織部神社。
大切な約束があるのに、今日は思ったより弓道部のミーティングが長引いてしまっていた。
弓道ではなく、別の『縁』で出会った仲間たちとの約束。
彼らは自分と同じく霊的な力を持って《霊》を成仏させるという共通の目的のために戦っている、
夕隙社の編集部員兼ゴーストハンターである。
事の発端は、織部神社で巫女として働いている時、幼子を抱いた母親たちから、深夜、火がついたように泣いたり、
またある時は空を見つめて話しかけたりするのだが、決まって高熱になるといった症状に悩まされているという。
曳目は、お祓いに来た母親たちの悩みを聞いて自ら夕隙社に依頼をすることにしたのだった…。
聖奈妖子の事件を経て、夕隙社に協力する事になった伊州高校奇術部部長・楓伊久。
小学生に間違われつつ、とある商店街で新作イリュージョン、『空中に浮かび上がる幽霊(ゴースト)』を披露する。
撤収しようとした伊久の前に一人の男が現れ、こう言った。
『10km離れた地に瞬時に移動する―。そんなイリュージョンが存在するのか、と』
男の名は田宮優介。捜査一課の刑事だった。
事件の説明を受けた夕隙社社長兼編集長・伏頼千鶴は、霊的な事件の可能性を推察、田宮の捜査に協力する事になる。
容疑者の男が滞在したホテルの一室には、微かに残った、霊の残滓や謎の機材が発見される。その先で一行が見たものとは?
《霊》(ゴースト)によって引き起こされるPTSDを克服した山河虎次郎(やまかわこじろう)。
夕隙社に協力するようになった彼は《主人公》と共に除霊を行っていた。
仲間として編集部に出入りするようになった虎次郎はある日、とある除霊現場で謎の男と遭遇する。
男は目に傷を持ち、首から十字架を下げ、ウェスタン風の帽子にレザーコートという出で立ちでそこに立っていた。
「お前は呪われている。」謎の言葉を残し、姿を消したその男はさながら《霊》のようでもあった…。
なぜなら夕隙社の探知機にも反応はなく、誰もが山河たちの見間違いと思ってしまったからだ。
再び男と邂逅する山河と《主人公》。
山河はその男、『シャガール』に向かって銃を抜くが…。