第二回(7/3公開)

「デベロッパーズバックヤード」をご覧の皆様。
こんにちは、『GUILTY GEAR -STRIVE-』ディレクターの片野アキラです。

第1回の公開以降、皆様からたくさんの意見をお寄せいただきました。
本当にありがとうございました。
(第1回をご覧になられていない方はこちらからお読みください)

今回もアークシステムワークスと皆様との「対話」を実現するべく開発者の制作意図や今後の方針といった最新情報を皆様にお伝えします。

ロマンキャンセルについて

今回は皆様のご意見への回答に先立ちまして、本作の重要なバトルシステムである「ロマンキャンセル」を紹介させていただきます。

ロマンキャンセルとは ロマンキャンセルは、その名の通りキャラクターの行動を「キャンセル」するシステムです。
あらゆる状況で発動でき、ゲージを消費しますが様々な恩恵を得ながら次の行動へ移ることができます。

ロマンキャンセルの効果 それでは、状況別にロマンキャンセルの効果や使い方を紹介します。

ロマンキャンセルを発動するとキャラクターの周りに衝撃波が発生し、範囲内の相手の動きを遅くします。
相手との距離を見極めて発動することがポイントです。

相手に攻撃を当てた瞬間に発動すると、衝撃波に当たった相手がゆっくり浮き上がり、普段繋がらない技でも簡単に追撃できます。

攻撃をしていない時に発動しても衝撃波は発生します。
この衝撃波は相手を吹き飛ばすことはありませんが、一定時間相手の動きを遅くします。

スロー状態の相手に後の先を取ったり、発生が遅い技を効果的に使用できます。

攻撃が当たる前や終わり際に発動すれば隙をフォローすることができます。
こちらも衝撃波に触れた相手の動きが遅くなるので、隙を狙ってきた相手に対して反撃を仕掛けられます。

相手の攻撃をガードしている最中に発動すると相手を押しのける衝撃波が発生して、窮地を脱出することができます。

このように攻めや守りなどあらゆる状況において「ロマンキャンセル」というシステム1つで優位に立つことができます。

ではここからは、過去シリーズ経験者や格闘ゲーマー向けに、ちょっとマニアックな性能と使い方を紹介したいと思います。

ロマンキャンセルを使ったテクニック ロマンキャンセルのスロー効果は、頭上の時計アイコンが切れるまで継続します。
相手に攻撃を当てた後もスローは継続するため、強力な攻めを展開できます。

また、ロマンキャンセルの発動直前にダッシュと同じ操作をすると、その方向に素早く移動しながら発動できます。
連続技を決めるために距離を詰めたり、相手の攻撃をかわすために後ろに下がったり、あるいは空中から素早く着地する際などに活用できます。

また、ロマンキャンセルは発動直後のみ必殺技などでキャンセルすることができます。
普段よりも素早く次の行動に移ることができるので、より高速な攻めを展開したり、直前の技性能を活かした追撃ができます。

これらの特殊テクニックは同時に成立します。

ここで紹介した使い方はあくまでも一例で、更なる応用テクニックはプレイヤーの皆様によって開拓していただきたいと考えています。

皆様からいただいたご質問への回答

さて、ここからは第1回デベロッパーズバックヤード公開後にいただいた皆様のご意見・ご質問にお答えしていきます。
前回と同様、片野と総監督の石渡太輔が回答させていただきます。

Q1 「体力の増減によってUIが動く仕様」と、前回お答えいただいた各種ゲージを確認する際の視線移動量を抑えるという思想が相反していると思われるが、どのように考えていますか?

石渡 「一か所を見るだけで体力やサイクバーストなどの状況を概ね把握できる」という理想を目指して設計した結果、「決まったところを見ていれば良い」という性質を奪ってしまい、結果、プレイヤーがゲージ類を探さなくてはいけない状況になってしまいました。
皆様からのご指摘を受け考えを改め、アイコンの移動については今後の変更を予定しています。

Q2 前回のインタビューで「過去シリーズより連続技の自由度を上げたい」と記載されていますが、クローズドβテストでは同じ技の連発(例えばバンディットブリンガー連発)が非常にシンプルかつ強力で、みんな同じ連続技を使っていたようなイメージを持っています(この時点で間違っていたらすみません)。
これは開発思想から外れてしまっている状態だと思うのですが、どのように軌道修正されるのか伺いたいです。

片野 同じ技を複数回組み込む連続技があること自体は開発思想からずれてはいません。
「Aという技からはBという技しか繋がらない」という概念を極力排除したかったためです。

ですが、βテストではシンプルで簡単な連続技と複雑な連続技の恩恵にほぼ差がありませんでした。
同じ構成の連続技しか印象に残らなかった、プレイヤーの興味と想像をかきたてられなかったのは失敗であり、反省点です。

具体的な改善手法は一概にはお答えできませんが、ダメージ・補正・ヒット効果・ゲージ関連や事前の行動の影響、そして過去シリーズには無かった新たな要素を諸々含めて調整を継続して参ります。

Q3 キャラクターデザイナーとしての石渡さんに質問です。
今作一新されたデザインの意図や理由を知りたいです。
また「GUILTY GEAR -STRIVE-」デザインの根底のテーマなどあればそれも知りたいです。

作曲家としての石渡さんに質問です。
今作ではVo付きのキャラテーマ曲が見受けられますがこの形になった理由等を知りたいです。
またキャラテーマの歌詞はキャラ毎の感情や主張を歌った物になっているのでしょうか?

石渡 前回からの繰り返しになってしまいますが本作の開発姿勢として、過去作の流用・延長ではなく、全てを新しく創り出すことを第一としています。それは本作の音楽やデザインを含めた方針となっています。

キャラクターの見た目を一新することで、新しいシリーズになったということが一目でわかるようにしたかった、というのが理由です。

本作のキャラクターデザインの方向性としてはよりシンプルで、よりユーザーに覚えてもらいやすいデザインを目指しています。
理想は「誰かが落書きでなんとなく描いたときでも、何となくそのキャラだとわかる」デザインですね。(正直に言うと、出来ていないキャラクターもいるのですが…。)

BGMをボーカル付きにした理由も同様で、根底から一新したいというのがまずありました。
それは曲を新しく書きおろす程度のことではなく、エポックメイキングとなる挑戦をしたかったのです。
歌詞については、キャラクターの主張や、背景をイメージしたものになっています。

Q4 ソルやポチョムキンのようないくつかのキャラクターは、以前のバージョンと非常に似た動きを持っているが、チップ、アクセル、メイのようないくつかのキャラクターは、象徴的なツールを失い、キャラクターとして再定義されているように感じました。
特にチップのテレポートがなくなったことや、アクセルの弁天刈り、天放石、雷影鎖撃といった必殺技がなくなったこと、メイのイルカさんを設置して後から攻撃する能力がなくなったなどです。
キャラクターのプレイスタイルに関して、全く新しいものと、個性的な特徴がでるものとのバランスをとるために、どういった「STRIVE(努力)」をしていますか?

また、なぜそのような必殺技や動きを排除しなければならなかったのか、説明していただけますか?

石渡 キャラクターの技の変更については、過去作をベースにした考え方をしていません。
あくまでも新作として0の状態から全キャラクターを再定義しています。 片野 もちろん再定義の根拠には過去シリーズで蓄積された思想や結果も含まれていますが、少なくとも前作品からの引き算という視点では開発していません。

その再定義の内容を一部、且つ大枠で紹介しますと、

チップ…非常に素早い移動能力を持つが、リスクを伴う必殺技が多い。
アクセル…相手との距離が遠ければ遠いほど強いが、接近戦は明確に不利。
メイ…最もシンプルに高火力を出せるが、からめ手に乏しい。

などです。
より詳しい説明や他キャラクターについては、次回以降のデベロッパーズバックヤードにて紹介させていただく予定です。

Q5 新しい空中ダッシュについて話していただけませんか?
以前、この新しい空中ダッシュは少し深みを持たせつつも、これまでの空中ダッシュが抱えていた、対応するために多くの練習が必要、という問題に対処する試みだったとおっしゃられていました。
この目標は達成されたかもしれませんが、飛び込みの強さの割に対空が貧弱であるように思え、新しい空中ダッシュがどれだけ多くの選択肢を生み出すかを考えると、状況は依然として空中から攻撃する方向に大きく傾いているように見えます。それでいて今回はこの種の積極的な飛び込みプレイを咎める強力な方法がないように感じます。
さらに空中ダッシュの「フィーリング」が以前のものほど快適でありません。実はもっと複雑なのかもしれませんが、これがゲームのフィーリング/フローに影響を与えるほどの価値があると思いますか?

片野 まずβテスト時点での飛び込みと地上対空側のバランスについては、我々もあなたのご指摘内容と同様の思いを反省点として捉えています。

具体的にはジャンプ攻撃のやられ判定が攻撃判定に比べて小さく、結果飛び込み側が勝ちやすい状況が多く発生してしまいました。
テスト時点での作り込みが甘かったことが原因であり、今後空中技のやられ判定を下方向に大きくする対応を予定しております。 石渡 空中ダッシュについては従来の直感的なフィーリングと本作の新しいゲーム性を天秤にかけた上で、現状の方針の行きつく先が従来以上の面白さを産み出すと判断し、開発を進めています。

Q6 クローズドβテストでは、壁破壊の仕組みは興味深い追加機能であり、ニュートラルをリセットすることで負けた相手に別のチャンスを与えながら、攻撃側のプレイヤーにゲージ面での報酬を与えるというアイデアがとても気に入っています。
しかし、選手たちはテンションゲージが増えることに「価値がない」と考えることが多く、コンボを終わらせなかったり、特定の手を使わなかったりして、壁を崩さないようにしていました。
こういったプレイイングをさせないために、壁の割れ方を変更することを検討していますか?それとも、壁を壊したときに得られる報酬を変えることを検討していますか?

↑画面端で一定以上攻撃を行うと壁が大きく破壊され相手を大きく吹き飛ばす。
  吹き飛ばしたあとは、中央で仕切り直しとなり、テンションゲージの増加量が上昇する

片野 正直に申し上げると、我々はβテスト時点でも端を維持するより壁を破壊した方がメリットが大きかったと判断しています。
もちろん引き続き多くのテストプレイを重ね、皆様のフィードバック内容を熟慮し、最後まで調整は継続します。

ただ、「壁を破壊しない」という選択を完全に否定する気はありません。
それも自由度の一環ですし、良い意味での「悪さ」だと捉えています。

「悪さ」については
https://youtu.be/ftxm5C04mjk?t=3747:【JAEPO2020】GUILTY GEAR -STRIVE- スペシャルステージ

Q7 GGSTの開発で一番難しいのは?

石渡 新しい手触りと新しい感動を、ギルティギアの系譜で産み出すことです

今後のデベロッパーズバックヤードについて

第2回デベロッパーズバックヤードは以上となります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

8月には新キャラクターの発表も予定しておりますので、お楽しみに!

デベロッパーズバックヤードで取り上げて欲しい話題や、開発者へのご質問・ご意見に関しましてはこちらのフォームにて随時受け付けております。

https://business.form-mailer.jp/fms/86a1fe2a122847

※今後登場・追加のキャラクターなどについてなどの質問にはお答えしかねます。
また、皆様からのお声すべてにお答えすることはできませんので、予めご理解ください。

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https://twitter.com/GUILTYGEAR_PR

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