探偵 神宮寺三郎 復讐の輪舞

Novel

エピソード03 夕暮れのベル

私は御苑洋子、神宮寺探偵事務所で助手を務めている。
所長である先生は調査の為に外出中で、私は事務仕事を進めていた。
先生は先週から、君島製紙工場と君島弘樹さんの自宅周辺を調査している。

「先生がお帰りになる前に、このファイルをまとめてしまわないと……」

私はここ数日の調査結果をファイルにまとめていた。
今のところ、大きな動きはない。

「今日は……弘樹さんのお父様の入院が長引きそうだと連絡があったくらいね」

君島家の家族構成は依頼人である君島弘樹さん、君島裕太さん。
そして、裕太さんの祖父、君島龍之介さんが親子三代で暮らしている。
弘樹さんの奥様は裕太さんが幼い頃に他界され、裕太さんは龍之介さんと弘樹さんに育てられたそうだ。

「先生が調査を開始してからは、不審なことは起きていないみたいだけど……」

かえって、その動きが気になると先生は言っていた。
相手がこちらの動きに気づいて、様子を見ているのかもしれない……
私は日が傾き始めた窓の外を眺める。
時計に視線を移そうとした時……事務所の電話が鳴った。

「はい。神宮寺探偵事務所です」

「み、御苑さん!?」

この声は……裕太さん。

「はい。どうされました?」

「じ、神宮寺さんが車に……!」

「!?」

受話器の向こうの裕太さんの声は震えていた。

▲ ページTOPへ戻る

Nitendo 3DS アークシステムワークス ワークジャム Nintendo 3DS ワークジャム アークシステムワークス トップページ